インフルエンサーの選別の為に必要な「エンゲージメント率」をご存知でしょうか?
本記事ではエンゲージメント率の紹介。インスタ、ツイッター、フェイスブックなど各種SNS毎のエンゲージメント率平均。参考にしたい業界別のエンゲージメント率の目安を解説しています。
エンゲージメントとは、「任意の投稿がどのくらいユーザーの心を動かしたかどうか」を測る指標です。
エンゲージメントの定義や算出方法はSNSによって異なり、Instagramを例にすると、エンゲージメントとは主に以下の3点のような、フォロワー、フォロワー外からのアクションを示します。
- いいね!
- 保存
- コメント
エンゲージメント率が高いアカウントは、任意の商品やブランドへの好意度や、その後のアクション、行動のコンバージョン率(成約率)が高い傾向があると言えるでしょう。
Instargamに関わらず、SNSのユーザーが投稿に対して何かしらのアクションを行うとき、基本的には何らかのポジティブ、ネガティブな心境を持っています。
現時点ではポジティブな心境を持っているアクションが多いので、エンゲージメント率は、ポジティブな感情の総数であると言えるでしょう。
ただし、2022年2月に、ツイッターでは「良くないね」ボタンのテスト運用を開始しているため、エンゲージメントも日々変化し続けていると言えます。
エンゲージメント率が重要な理由
SNS運用においてエンゲージメント率が重要と言われている理由は、大きく分けて以下の3つがあります。
- ユーザー層を把握する目安になる
- 投稿閲覧数の上昇が期待できる
- 影響力があるアカウントと思われる
ここからは、エンゲージメント率が重要な理由について解説していきます。
①ユーザー層を把握する目安になる
各種SNSにおいて、エンゲージメント率を確認することで、自身の商品やブランドへの興味関心度やユーザーのロイヤリティを把握できます。
エンゲージメント率が高いアカウントほどビジネスにおいては成果につなげることができるため、企業はエンゲージメント率の高いアカウントを求める傾向にあります。
②投稿閲覧数の上昇が期待できる
SNSでは、ユーザーの興味関心に合わせて表示アルゴリズムが組まれています。
エンゲージメント率が上がることで、発見タブやフィード、ハイライト、最新情報などの「おすすめ」に表示され、より多くの人々の目に触れることが期待できるでしょう。
エンゲージメントが高いことで、興味関心を持ち合わせているアカウントへの「おすすめ」表示率も高くなります。拡散されることで、更にエンゲージメント率が上がる相乗効果も得られるでしょう。
③影響力があるアカウントと思われる
数年前まではフォロワーが多いアカウントほど影響力のあるアカウントと捉えられていました。
しかし近年では、フォロワーの売買が行われたり、フォロワーの中にもアクティブでないユーザーがいたりと、単純に「フォロワーが多い=影響力が強いとは言えない状況」となっています。
その一方で、エンゲージメント率はユーザーからの興味関心度を表すため、エンゲージメント率が高いアカウントほどユーザーへの影響力があると考えられるでしょう。
エンゲージメント率の計算方法
エンゲージメント数、エンゲージメント率はSNSによって異なります。例えば、Instagramの場合以下のように計算できます。
エンゲージメント数(反応数)
=いいね!数+コメント数(+保存数)
保存数に関しては自身のアカウントであればデータの取得ができます。しかし他のアカウントの保存数は見れないため、他アカウントと比較する際には、保存数を含まないデータで確認を行う場合もあります。
また、エンゲージメント数に保存数を含める場合や、インプレッションやリーチ数を分母として計算する場合もあるでしょう。
Instagramに関しては、無料で提供しているインサイト機能を使うことで、自社アカウントのエンゲージメントを確認できます。
Instagram以外のSNSエンゲージメント率計算方法もまとめましたので、下記を参考にしてみてください。
SNS | エンゲージメント率の計算式(%) |
---|---|
(いいね+コメント+シェア・投稿の保存)÷投稿リーチ人数×100 | |
(クリック+RT+返信+フォロー+いいねなどの総数)÷インプレッション×100 | |
(いいね+コメント+シェア・投稿クリック)÷投稿リーチ人数×100 |
※状況により変わりますので、あくまで一例として参考にしてください。
また、「リーチ」と「インプレッション」の違いを簡単に説明すると以下の通りです。
項目 | 意味 |
---|---|
リーチ | 投稿を見た人の数 |
インプレッション | 投稿が表示された回数 |
注目してほしいのは、「一人のユーザーが投稿を何回表示してもリーチ数は1」ということです。インプレッションでは、「同一ユーザーが複数回見たらその回数が反映される」ということになります。
業界別エンゲージメント率平均
SNS活用が盛んな、「アート、クラフト業界」「車業界」「美容業界」「飲料業界」「ファッション業界」「食品業界」「ホームリビング業界」「ジュエリー業界」「新聞・雑誌業界」「メディア業界」「旅行業界」の平均エンゲージメント率です。
「業界」×Instagram | エンゲージメント率 |
---|---|
アート、クラフト業界 | 平均1.04% |
車業界 | 平均1.04% |
美容業界 | 平均0.54% |
飲料業界 | 平均1.05% |
ファッション業界 | 平均0.53% |
食品業界 | 平均1.12% |
ホームリビング業界 | 平均0.73% |
ジュエリー業界 | 平均0.58% |
新聞・雑誌業界 | 平均0.78% |
メディア業界 | 平均0.67% |
旅行業界 | 平均1.41% |
「業界」×Twitter | エンゲージメント率平均 |
---|---|
アート、クラフト業界 | 平均0.08% |
車業界 | 平均0.06% |
美容業界 | 平均0.04% |
飲料業界 | 平均0.09% |
ファッション業界 | 平均0.07% |
食品業界 | 平均0.12% |
ホームリビング業界 | 平均0.07% |
ジュエリー業界 | 平均0.18% |
雑誌、ジャーナル業界 | 平均0.01% |
メディア業界 | 平均0.03% |
旅行業界 | 平均0.04% |
「業界」×Facebook | エンゲージメント率平均 |
---|---|
アート、クラフト業界 | 平均0.17% |
車業界 | 平均0.27% |
美容業界 | 平均0.15% |
飲料業界 | 平均0.29% |
ファッション業界 | 平均0.09% |
食品業界 | 平均0.36% |
ホームリビング業界 | 平均0.19% |
ジュエリー業界 | 平均0.22% |
雑誌、ジャーナル業界 | 平均0.08% |
メディア業界 | 平均0.11% |
旅行業界 | 平均0.27% |
各種SNSインフルエンサーのエンゲージメント率の平均は?
インフルエンサーのエンゲージメント率の平均は、5%前後とされています。当然、各SNSやジャンルによって数値は変わるでしょう。
小規模で見逃されやすい事業領域なジャンルに特化したインフルエンサーの場合、差別化が図りやすく、コアなファンが集まることで平均は10%にもなる場合もあります。
ここからは、Instagram・Twitter・Facebookの各SNSにおける、エンゲージメント率の平均について見ていきましょう。
Instagram全体でのエンゲージメント率は平均で約1.22%、インフルエンサーのアカウントでは約1.67%となっています。ジャンルによっては、3%を超える場合もあるようです。
エンゲージメント率1%以上となれば、インフルエンサーマーケティングとして考えると、それなりに効果が期待できる数値といえると思います。
Instagramのエンゲージメント率を計算するときに、分母として考えられるのは、以下の3つです。
- フォロワー
- リーチ
- インプレッション
Instagramで分子(=エンゲージメント)となり得るのは以下の4つです。
- いいね
- コメント
- 保存
- シェア
全ユーザーのTwitterにおけるエンゲージメント率は、約5%ほど。一般的にいわれるインフルエンサーのエンゲージメント率と近い数値となっています。
Twitterのエンゲージメント率を計算するときにはインプレッションを分母とし、分子となるエンゲージメントは以下のように考えましょう。
- いいね
- 返信
- リツイート
- 画像や動画、リンク、プロフィールのクリック
- ツイートの詳細閲覧
- 投稿からのフォロー
Facebookのエンゲージメント率は、0.5〜2%程度。ほかのSNSよりも、全体的に低い数値です。
Facebookでのエンゲージメントについては、以下のとおりです。
- いいね
- コメント
- シェア
- アイコン、写真のクリック
Facebookのビジネスページの場合は、企業独自に運用するFacebookにおいては自身で計算する必要がなく、「インサイト」という解析機能があり、各投稿に対するエンゲージメントが表示されます。
エンゲージメント率を上げる方法
SNSアカウントを運用する際に、エンゲージメント率が上げる方法を紹介します。
主に、以下の3点について考えてみましょう。
- ペルソナの設定
- ユーザーが求めるコンテンツの分析
- コミュニケーションを取る
①ペルソナの設定|どんな人物をターゲットとするのか?
インフルエンサーマーケティングにおいてまず明確にしておくべきなのは、ペルソナです。
誰をターゲットにして商品・サービスのPRを行なうのかを考えましょう。
万人受けを狙ってしまうと、ユーザーの興味関心や購買意欲にまで持っていくのが難しくなるものです。エンゲージメント率を高めるには、具体的なユーザーを想定するのが欠かせません。
ペルソナの検索意図の仮説。ユーザーが求めるコンテンツとは?
設定したペルソナの好みや興味、行動パターンを考え、コンテンツへと落とし込んでいきましょう。
設定したペルソナと実際の人物像とのギャップが大きくては、失敗に終わります。
ペルソナに近い人々を対象にしたアンケートやインタビューを実施すると、より適したコンテンツ作成が実現するでしょう。
コミュニケーションをとる。ユーザーとどう繋がっていくのか?
テレビや広告、チラシなどの媒体と違って、SNSはユーザーとのつながりを持ちやすいのが強味であり、特徴です。
コメントがあった際などに、コメントに対して返信を行ったり、コメントの内容に関する投稿をしたりすることで、ユーザーは「またコメントしよう」「投稿をチェックしよう」と考えるようになり、エンゲージメント率を高めることにつながります。
コメントに対する対応はシビアに受け取られることが多いので、双方向のコミュニケーションをどのようにとっていくのかも、戦略のひとつとして考える必要があるでしょう。
最適なインフルエンサーの起用方法
企業のマーケティングキャンペーンを成功させるには、業界や商品、PR方法に適したインフルエンサーを見つけることです。
直接アプローチ
各種SNSはDM(ダイレクトメール)と呼ばれる、直接ユーザーと交流できる機能が存在します。
比較的に安価でインフルエンサーに依頼する際には、直接交渉するのも一つの手段です。
前述の通り、依頼先アカウントのインプレッション数や、エンゲージメント率なども考慮した選択が必要です。フォロワー数が多いだけのインフルエンサーも存在するので注意が必要してください。
代理店の利用
インフルエンサーを代理で探してくれる代理店を活用するのも良いです。
独自でインプレッション数や、エンゲージメント率を算出する必要がなくなります。サービス、業種業態では、どのSNSで、どんなインフルエンサーを検討するべきなのかを探してくれます。
インフルエンサーのエンゲージメントまとめ
インフルエンサーのエンゲージメント率の平均は5%前後とされています。しかしSNSや業界、ジャンルによっても大きく数値は変わります。
また、エンゲージメント率を算出する際の分母や分子をどう設定するかでも結果が異なるため、マーケティングの施策効果を適切に測定するためには、あらかじめ指針を定めておくことが大切です。
上記を考慮した上で、エンゲージメント率を高める際に必要なポイントをもとに、実行していきましょう。
ご自身の業種業界、サービスでは、どのくらいのエンゲージメント率があり、中でも最適なSNSを把握した上で、SNS運用を行っていくと良いでしょう。ぜひ参考にしてください。