SNSは企業のマーケティング施策においても重要なツールとなっています。
近年ではSNSを中心に、インフルエンサーを使ったマーケティング手法も使われるようになってきました。そこで今回はインフルエンサーマーケティングの効果について解説していきます。
インフルエンサーマーケティングとは?
インフルエンサーとは、影響や勢力、効果といった意味を持つ「influence」という英語が語源となっており、主にSNSで特定のジャンルのコミュニティ(フォロワー)に対して強い影響を与える人物のことを指します。
従来のマーケティング手法のように、企業が直接商品などの情報を発信するわけではなく、消費者の視点を取り入れた情報発信を行うことで、共感力の高い認知や購買意欲を高めやすいと言われています。
渡辺直美さん(@watanabenaomi703)、ローラさん(@rolaofficial)、きゃりーぱみゅぱみゅさん(@kyarypappa)などもインフルエンサーにあたります。
インフルエンサーマーケティングの成功事例
有名な例だと、ユーチューバーのヒカルさんとファミレスの「ジョイフル」とのコラボでは、多くの売り上げを獲得し、株価も爆上げ。その結果、ジョイフルの時価総額が18億円プラスとなる経済効果を生んでいます。
ヒカルさん効果凄すぎます!!!
インフルエンサーマーケティングの市場規模
2020年にサイバーバズの行った調査では、インフルエンサーマーケティングの市場規模は拡大傾向にあります。
2020年のインフルエンサーマーケティング市場は317億円、前年比105%の見通し
2025年には2020年比約2.3倍、723億円規模に
ー株式会社サイバー・バズ 国内ソーシャルメディアマーケティングの市場動向調査より
コロナ禍を経てSNSの利用時間も増加している今、マーケティング手法の一つとして確立していくことでしょう。
インフルエンサーマーケティングの費用
インフルエンサーマーケティングの費用は目的により変わります。商品を売りたいのか、ブランディングをしたいのか、目的により費用感も変わりますが、代表的な算出方法を見ていきます。
- フォロワー×単価
- 成果報酬
- 売り上げ歩合型
- 費用全額負担型
- ギフト型
フォロワー×単価
インフルエンサーマーケティングの費用は、フォロワー数×単価が一般的と言われています。現在の相場は、「フォロワー×2円〜4円」と言われています。
例えば、フォロワー10万人のインフルエンサーに投稿依頼をすると、20万円~40万円が概算費用としてかかってくることになります。
成果報酬
商品の購入や資料請求など、企業側の成果が発生した時にのみ費用が発生するものとなります。相場に関しては成果の対象となる商品の金額等により変わってきますが、「数百円〜数千円」が相場と言われています。
また、成果をSNSのエンゲージメント数とする場合もあり、その場合フォロワー数の相場と近い金額で依頼をできることがあります。
売上歩合型
歩合型は商品の販売が成果とした場合、その売り上げに応じて費用が決定する方法です。この方法ではインフルエンサーと企業のコラボ商品として販売されることが多く、費用感は芸能人のキャスティングのように、それぞれのインフルエンサーや所属事務所との交渉になることが多いでしょう。
費用全額負担型
インフルエンサーが商品を紹介を依頼する代わりに企業側が費用を全額負担する方法です。この方法では体験価値を提供する商品の紹介が多い傾向にあります。
例えば、宿泊業界の事例では現地までの交通費や宿泊料金を無料にする代わりに、インフルエンサーにホテルの投稿を依頼する形になります。
この方法はインフルエンサーにとっては、数万円するホテルの宿泊料金や、交通費を負担していただけることがメリットになります。企業側にとってはインフルエンサーに対し数万円の体験価値を無料提供しているものの、原価での費用の負担となるため、費用を抑えられる傾向にあります。
宿泊業界の事例
実際にインフルエンサーと宿泊事業者をつなぐプラットフォームもいくつか存在しています。
▼Woomy HOTEL
美容業界の事例
▼SBC湘南美容クリニック #湘美女
このように、さまざまな企業やサイトでインフルエンサーを募集しています。
ギフト型
インフルエンサーに実際の商品を提供することで、そのレビューを紹介してもらう方法です。この方法では、美容業界等の事例が多くなっています。
ギフト型のメリットは費用を抑えることができる部分にあります。費用を抑えることができる一方、拡散力の高いインフルエンサーは有償で投稿を行うため、ギフト型での契約承諾率は10%ほどと言われています。
インフルエンサーマーケティングを使う理由は?
インフルエンサーを使ったマーケティングを行う理由は、主に以下の4つになります。
- ターゲティングが行いやすい
- マーケティング施策の柔軟な対応ができる
- 通常の広告よりも消費者に受け入れられやすい
- フォロワーによる情報の拡散が期待できる。
ターゲティングが行いやすい
インフルエンサーの発信する内容は、特定のジャンルに特化しており、その特化したジャンルの発信に対して集まってきたフォロワーが多いため、ターゲティングが比較的行いやすいと言われています。
また、それぞれのジャンルに特化した投稿を普段から行なっているため、エンゲージメント率が高い傾向にあります。インフルエンサープラットホームやインフルエンサーの所属する事務所などを通じて、自社に最適なインフルエンサーを探しましょう。
マーケティング施策の柔軟な対応ができる
インフルエンサーに依頼をすることで、マーケティングの目的やビジネスモデルに応じて施策を打つことができる点にあります。
例えば、美容商品を販売する会社では成果を出すために複数の依頼方法を考えることができます。フォロワーの多いインフルエンサーにフォロワー単価ごとの依頼をする方法や、マイクロインフルエンサーと呼ばれるフォロワー1000人〜10万人以下のインフルエンサーに対して、ギフト型で施策を打つことも可能になります。
目的に応じて様々な手法を使い分けることができると良いでしょう。
通常の広告よりも消費者に受け入れられやすい
インフルエンサーマーケティングは、「広告らしさ」を感じさせず商品を宣伝することができます。インフルエンサーが普段の投稿と同じように、投稿を行うことで、宣伝と感じさせず消費者へと商品の情報を届けることができます。
このTik Tokも宣伝の動画ですが、全く「広告らしさ」がないと思います。この動画を見て真似したくなった人も多いと思います。
フォロワーによる情報の拡散ができる
インフルエンサーマーケティングは、基本的にSNSを通した宣伝となるため、インフルエンサーの投稿自体がそれぞれのSNSで拡散される可能性があります。
Googleのリスティング広告や、YouTube広告をユーザーが拡散することはないでしょう。
しかし、インフルエンサーが自分のSNSに投稿したものであれば、「いいね」がついたり「リツイート」されたりと、二次拡散が行われ情報が広がっていきます。
インフルエンサーマーケティングの効果は?
インフルエンサーマーケティングは何を持って成功とするか難しい側面もあります。ここではインフルエンサーマーケティングの効果に関して解説を行っていきます。
成果指標を設定する3つの方法
インフルエンサーマーケティングの効果を測る指標はたくさん存在していますが、一般的に重要視される指標は、コンバージョン、インプレッション、エンゲージメントになります。
- コンバージョン
- インプレッション
- エンゲージメント
コンバージョン
商品を販売する会社であれば、インフルエンサーを通して売れた数を成果して捉えることができます。実際にインフルエンサーの過去のコンバージョン数やクリック数などのデータから算出を行い、目標値を設定しましよう。
購入数の測定ができない場合はツールの導入や、インフルエンサーを通して割引きをしているような場合には、プロモコードと呼ばれるキャンペーンの対象者に発行されるコードを入力してもらい、インフルエンサー経由で購入に至ったかで測定を行いましょう。
インプレッション
インフルエンサーの投稿がどれだけのユーザーに表示されたかを指標にする方法です。
インプレッションは、ブランドの認知につなげるためのマーケティング施策に使われることが多く、多くのユーザーに認知されることを目的としている場合が多いです。
しかし、多くの方に見られたからと言って、ターゲット選定を間違えると費用対効果が低くなります。成果指標とする場合はその点に注意して目標設定を行いましょう。
エンゲージメント
インフルエンサーの投稿に対して、(いいね、リツイート)などの行動数を指標とする方法です。インプレッションと比較して、インフルエンサーマーケティングの成果指標の中では成果を追いやすい指標とされています。
インフルエンサーが普段から投稿しているエンゲージメント率を参考に、KPIを設定すると良いでしょう。また、エンゲージメント数に関しては、依頼するインフルエンサーによって数値が大きく変わります。
例えば、女性向けの美容グッズの紹介を女性インフルエンサーに投稿依頼したとします。しかし、そのインフルエンサーに男性フォロワーが多い場合、たとえ100万人のフォロワーが存在していても、エンゲージメント率は下がるでしょう。
エンゲージメント率を向上させるには、インフルエンサーの選定がとても重要になります。
費用対効果を向上させるコツ
インフルエンサーマーケティングの費用対効果を向上させる方法を2つ紹介いたします。
適切なインフルエンサーを選定する
インフルエンサーは、一般的にフォロワー数を基準にして4種類の種別が設けられています。
インフルエンサーの種別 | フォロワー数 |
---|---|
トップインフルエンサー | 100万人以上 |
メガインフルエンサー | 10万人〜100万人 |
マイクロインフルエンサー | 1万人〜10万人 |
ナノインフルエンサー | 1000人〜1万人 |
インフルエンサーマーケティングではフォロワー数が多ければ良いと言うわけではなく、エンゲージメントが重要です。
フォロワー数が増れば増えるほど、エンゲージメント率も低下傾向になるというデータもあり、インフルエンサーの選定は自社商品などのジャンルに沿った選定をすることが重要になります。
依頼方法
インフルエンサーへの依頼方法は主に3つあります。それぞれの特徴を知り適切な選定方法を選びましょう。
- SNSで探して直接依頼する
- 所属プロダクションからの依頼
- インフルエンサープラットフォームを利用する
SNSで探して直接依頼する
1つ目の方法はInstagramなどのSNSからマイクロインフルエンサーを探して、直接依頼する方法です。SNS上でハッシュタグや、宣伝を行いたいキーワードを検索しダイレクトメッセージ機能を使って依頼をします。
この方法は低コストで行えるメリットがあり、仲介業者を挟まないため比較的安価にPRなどを行うことが可能です。
所属プロダクションからの依頼
2つ目の方法は、インフルエンサーが所属するプロダクションやキャスティング会社から紹介を通して依頼する方法です。
プロダクションに起用したいインフルエンサーがいる場合や、要望に応じてインフルエンサーの選定も行なってくれます。
プロダクションを契約して依頼するメリットは、より効果の高いインフルエンサーマーケティングができることです。プロダクションが持っている知識や情報をもとに最適なインフルエンサーの選定や起用方法を考えてくれるでしょう。
インフルエンサーマーケティングに関するまとめ
インフルエンサーマーケティングの効果を高めるには、インフルエンサーを選定するところから勝負が始まっています。
裏を返せばインフルエンサーの選定を失敗してしまうと、マーケティングの効果が出なくなってしまうため、初めて依頼する際にはインフルエンサーツールを使うことや、支援会社に依頼することを推奨します。
インフルエンサーを効果的に使い大きな成果を出していきましょう!!!