Instagram上で人気のジャンルに「旅行」があります。そのような旅行に欠かせないものがホテルです。 近年では特徴的見た目や特徴的なサービスを展開するホテルが多くなってきており、旅の目的地となるホテルも多くなっています。
本記事では、ホテル業界のInstagram活用方法を紹介し、ここでしか見ることのできないカオスマップを公開します。
ホテル業界がInstagramを活用する理由
SNSを利用するユーザーは年々増えており、Instagramでは2019年時点で、国内での月間アクティブユーザーが3300万と登録しているだけでなく実際に利用しているユーザーが多いSNSです。
そこで、ホテル業界がInstagramを利用しなければならない理由を解説します。
SNSを利用して行き先を決めるユーザーが居る
JTB総合研究所の調査では、Instagramを利用するユーザのうち20%がSNSの投稿をきっかけに訪れていることがわかっています。
■ワンポイント
- SNSの投稿を見て行ってみたいと思った場所にでかけた(17.2%)
- SNSで知った情報でいいと思ったものを購入した(16.2%)
2020年は新型コロナウイルスの影響もあり、数値が減少しているものの依然としてSNSの投稿を見て行き先を決めるユーザーが居ることがわかります。
ホテルや旅行に関する投稿が多い
Instagram上にて旅行の思い出やホテルでの体験に関する投稿は多く上がっています。下記は旅行・ホテルに関連する主要ハッシュタグの投稿数です。
ハッシュタグ | 投稿件数 |
---|---|
#ホテル | 201万件 |
#旅館 | 71.5万件 |
#温泉 | 415万件 |
#ラグジュアリーホテル | 12.4万件 |
#リゾートホテル | 19.8万件 |
#ホテルステイ | 27.5万件 |
#ホテル女子会 | 15.6万件 |
表を見てわかる通り、投稿数という切り口でもホテルでの出来事をInstagram上に投稿するユーザーは多いです。
ホテルはお部屋、お部屋から見える景色、お食事など、写真を撮りたくなるシーンが多くあるので、それも投稿数に影響しているでしょう。
このように、視覚的に訴求力の高いホテル業界はInstagramとの相性が良いと言えるでしょう。
ホテル業界人気アカウントカオスマップ
2022年8月時点において、ホテル業界でInstagramを活用している50のアカウントを価格帯とフォロワー数にてカオスマップの作成を行いました。
各ホテルにて、顧客の特徴や自社のサービスに応じて様々な工夫が見られました。
本記事では、フォロワー数の多いホテルの特徴やホテルの価格帯とフォロワー数の関係について解説していきます。
- 金額は2022年9月2日~9月3日に2名で素泊まりにて宿泊した際の金額をBooking.comより算出
- 金額、フォロワー数は2022年8月時点のものとなります
フォロワー数の多い上位3つのホテル
まずは、今回カオスマップでの分析を行った50のアカウントの中でフォロワー数の多い上位3つのアカウントを紹介します。フォロワー数の多いアカウントから、フォロワーが増えている要因や運用が成功している理由を参考にして運用をしていきましょう。
Mandarin Oriental, Tokyo
今回のカオスマップ作成にて、圧倒的1位のアカウントがMandarin Oriental, Tokyo(@mo_tokyo)さんでした。なんと、フォロワー数は8.2万人と国内のホテルアカウントでもトップクラスのフォロワー数でしょう。
Mandarin Oriental, Tokyo さんでは、2つの工夫もありフォロワーを増やせていると考えられます。
フォロワー数を伸ばせている理由の1つ目は海外のお客様もアカウントをフォローしてくださっている部分です。
海外のお客様がフォローしてくださる要因として、投稿を確認すると投稿文が日本語だけでなく英語の記載もあります。下記は実際の投稿です。
英語での記載を行うことで、新商品の紹介やイベント情報などを海外の方もInstagramを通して知ることができます。
フォロワー数を伸ばせている理由の2つ目は投稿に合わせて適切なハッシュタグを選定できていることです。1つ1つの投稿に付けられているハッシュタグを確認していくと、写真や投稿文に合わせたハッシュタグが適切に選定されています。
ハッシュタグの選定は週に何度も投稿をしていると、手を抜いてしまう担当者も多いはずです。
英語での記載やハッシュタグの選定など1つの投稿を丁寧に投稿している部分が、フォロワー増加に繋がっていると考えられます。
コンラッド東京
2位はコンラッド東京(@conrad_tokyo)さんです。
コンラッド東京では、スイーツや食事の投稿が多いことが特徴で宿泊の方だけでなく日帰りの方にも効果的に発信を行えていることがフォロワー数増加に繋がっていると考えられます。
私も実際にホテルのSNSを運用していましたが、スイーツや食事の投稿はエンゲージメント数が高くなる傾向にあります。
ホテルの28階では東京ベイと浜離宮庭園の絶景を見ながら、一流シェフの手がけるスイーツをいただくことのできる「コンラッドアフタヌーンティー」は非常に人気が高いです。
#コンラッド東京アフタヌーンティーでは5431件もの投稿があり、投稿数も多くInstagramから集客に繋がっていることも考えられます。
ホテルのアカウントのターゲットは宿泊をする人だけでなくアフタヌーンティーなど、日帰りでの利用する方に向けても発信を行うことでフォロワー数の増加に繋がります。
ホテル椿山荘東京
3位はホテル椿山荘東京 Hotel Chinzanso Tokyo(@conrad_tokyo)さんです。
ホテル椿山荘東京 は敷地内に広大な庭園を持つホテルです。
その庭園とInstagramを掛け合わせたキャンペーンを実施していることもあり、Instagramでの認知獲得や集客に力を入れていることがわかります。
キャンペーンを通して、お客様にホテルの発信をしてもらうことで、ホテルの発信がInstagram上に増えることやリアルな写真や投稿が広がっていきます。
また、投稿が広がっていくことでフォロワー以外にもホテルのアカウントや情報が届きフォロワーの増加に繋がっているでしょう。
ホテルの強みを活かしたキャンペーンなどを実施しすることで、効果的に自店舗のアカウントへの注目やフォロワーを集めていきましょう。
運用の参考になる!真似したいアカウント紹介
ここからはフォロワー数が多いアカウントだけでなく、運用が参考になるアカウントを紹介いたします。効果的な運用や少し変わった運用をしているホテルアカウントを紹介していきます。
DDD HOTEL
DDD HOTEL(@dddhotel)さんは東京の馬喰町にあるホテルです。
DDD HOTELのInstagram運用では、深いモスグリーンを基調とした内装のイメージ合わせた投稿をしています。実際に投稿を見てみると投稿をみるだけで、どのようなホテルなのかがわかる内容になっています。
実際に下記の投稿と公式HPを見比べてみることで、イメージが統一されていることが伝わります。
※公式HPリンク
ホテルのイメージとInstagram上でのイメージが合うことで、写真を見ただけでどこのホテルなのか認識させることや、競合店舗との差別化を図りやすくなります。
ホテルの内装や雰囲気や特徴がある場合は、世界観の統一やイメージを合わせることでよりフォローをされやすいアカウントを作っていきましょう。
ザ・プリンス パークタワー東京
ザ・プリンスパークタワー東京(@princeparktowertokyo)さんはキャンペーンを行っていることや、お客様がどのような体験ができるかを効果的に伝えられている点が参考になるホテルアカウントです。
キャンペーンでは、対象期間内にハッシュタグをつけて投稿してくれた方にプレゼントをするキャンペーンを行っています。
このキャンペーンでは、普段着ることのできないような浴衣の写真を撮ることや、花火をすることも可能なので、写真を撮って投稿を行いやすいキャンペーンとなっています。
また、公式アカウントでは実際に浴衣を着ながら花火をする写真を投稿するなど、お客様に実際の体験イメージを持ってもらいやすい投稿がされています。
予約サイトに載っているような写真ではなく実際の体験をベースにした写真の投稿を行い、キャンペーンと合わせることで集客とフォロワー数増加に繋がっているでしょう。
はいむるぶし
今回のカオスマップでは記載はしませんでしたが、ホテルの特徴を存分に活かしたホテルを紹介します。
はいむるぶし(@haimurubushi_resorts)さんは沖縄県の小浜島のリゾートホテルで、フォロワー数は17.5万人のフォロワーがいます。
ホテルの公式アカウントではあるものの、沖縄八重山の美しい自然がメインの投稿となっているため、今回のカオスマップからは外す形となりました。
しかしながら、ホテルの魅力を効果的に伝えることができている点や、フォロワー数という観点で考えると非常に参考になるアカウントです。
ホテルの一番の魅力である、ホテル周辺の美しい自然を発信することでココでしか体験をすることのできない魅力を伝えることに成功しています。
また、フォロワーという観点でもプロフィールに貼ってあるリンクがホテルの公式HPとなっているため、投稿を良いと感じプロフィールに来た人が公式HPに行くという、ホテルを検討していなかったお客様に対しても、Instagramから来館までの動線も適切に作ることができています。
リゾート地のホテルや、ホテル周辺の環境に強みを持っているホテルは参考にすることで、Instagramのアカウントを効果的に運用していけるでしょう。
カオスマップでの分析を経て
ここでは、カオスマップを作成し50のホテルのInstagramアカウントを分析しわかったことを3つ紹介します。
- フォロワー1万人前後のホテルが多い
- 価格帯の高いホテルがフォロワーの多い
- フォロワーの多いアカウントは外国人のフォロワーもいる
1つ1つ解説をしていきます。
10,000フォロワー以下のホテルが多い
今回の分析では、50アカウントのうち54%の27アカウントが1万フォロワー以下となりました。
他の業種でも1万フォロワーの壁は高いと言われていますが、ホテル業界でも1万フォロワーを獲得することは非常に難しいことがわかります。
しかし、旅行関連のアカウントはInstagram上で人気の傾向にあるので、ホテルのInstagramを運用する担当者は、是非本記事を参考に運用を実施してください!
さらに詳しく、Instagramのフォロワーを増やす方法を知りたい方はこちらの記事がオススメです!
価格帯の高いホテルがフォロワーの多い
価格帯の高いホテルには下記3の特徴があり、フォロワー数が多くなっていると考えられます。
- マーケティング担当がいる
- サービスの種類が多い
- 多くの人のニーズを満たしている
それぞれ、解説していきます!
マーケティング担当がいる
価格帯の高いホテルでは世界的に展開しているや店舗数が多いホテルも多く、Webマーケティング担当やInstagramの運用担当などが専属で行なっている事が多いでしょう。
専門に行う担当が居るため更新頻度も高く、キャンペーンや施策なども行うことができる傾向にあると言えます。
そのため、価格帯の高いホテルはフォロワーを獲得しやすく結果としてフォロワー数が多くなる傾向にあります。
サービスの種類が多い
価格帯の高いホテルではサービスの種類が多い傾向にあります。
例えば、食事の種類がイタリアン・和食・中華などの食事会場が有り、それぞれ夕食・朝食の種類を選べるホテルを目にしたことはないでしょうか。その他にも、客室は複数種類・大浴場・プール・夜景の見えるバー・結婚式場など、多くのサービスが存在しています。
それぞれのサービスの中で、魅力的なキャンペーンや施策を行うことで多様性のある発信を行うことができるため、フォロワーを獲得しやすいと言えます。
多くの人のニーズを満たしている
価格帯の高いホテルでは多くの人のニーズを満たしていることが多く、高価格帯のホテルの利用者を考えると、2つの利用者、利用シーンが考えられます。
お金を持っている人が日常的に利用することはもちろん、一般的な所得の場合でも結婚式、誕生日、記念日など特別な日に利用することもあると思います。
基本的に多くのお金を使ってくれるのは、利用頻度の高いお金を持っている人になりますがInstagramのフォロワーという観点では同じ一人のフォロワーに当たります。
ですから、利用頻度という観点を除くと多くの人のニーズを満たしておりフォロワー数が増える傾向にあると考えられます。
フォロワーの多いアカウントは外国人のフォロワーもいる
フォロワーの多いホテルでは、日本語文での投稿に合わせて英語での記載をしているアカウントが多く、フォロワーを確認してみると、海外の人がフォローをしていました。
コロナ禍により、訪日外国人の減少している時期ではありますが、外国人がターゲットになっているホテルは英語での発信も行うことでフォロワーの増加に繋がります。
まとめ
Instagramとホテル業界は非常に相性が良く、効果的な運用ができているアカウントでは数万単位フォロワーを有するアカウントもありました。
本記事を通して、自社ホテルのInstagram運用の参考にしてください。