個人だけでなく企業もSNSマーケティングの一環として活用しているInstagram。効果的な運用を実現すべく、日々の投稿や分析に勤しむ方も多いはず。
Instagramの運用担当者の方にぜひ注目していただきたいのが「リーチ」の数値です。どれだけのユーザーに投稿が届いたのかを意味するリーチですが、正しい数値の見方が分からないと今後の施策に活かせず、改善に繋げられません。
本記事では、リーチの見方や分析方法を中心に、Instagramの分析について詳しくご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
Instagramのインサイトで確認できる「リーチ」とは?
Instagramの運用や分析時に確認したいのが「リーチ」という数値。リーチとは「どれくらいのユーザーに投稿が届いたのか」を示すもので、Instagramアカウントの影響力や投稿の訴求力を測る際に重要な指針となります。
まずは「リーチ」が意味する内容や、混同しがちな「インプレッション」との違いなどについて見ていきましょう。
リーチは「投稿が見られた回数」を示す数値
リーチは「投稿を見たユーザー数」を示す数値。Instagram運用で重要な「いいね」や「保存」、「フォロワー数」に直結する要素なので、Instagramをマーケティングに活かす上で非常に重要な意味を持ちます。
毎日投稿を心掛け、どれだけ凝ったコンテンツを投稿しても、ユーザーに届かなければ意味がありません。とくにInstagramは拡散がメインのSNSではないので、運用開始後のフォロワーが少ない時期は露出を増やすことが肝心です。タグやキャンペーンを活用し、なるべく多くのユーザーにコンテンツを届けようと躍起になるユーザーも少なくないでしょう。
リーチはこうした施策の効果を測定する際に重要な役割を担っています。例えば、期間を区切ってある施策を打ち出した際、リーチ数が多ければその施策は成功と言えますし、反対に少なければその施策はハマらなかったと考えられるでしょう。
リーチ数を確認しながらInstagram運用を行えば、効率的に最善手を打ち続けられますし、結果的にユーザーとの距離感が縮まったり、フォロワーの獲得につながったりと様々なメリットが得られます。
インプレッションと混同しないように注意
リーチと似た数値のひとつに「インプレッション」がありますが、インプレッションは投稿が表示された「回数」を示すもので、投稿を見た「ユーザー数」を示すリーチ数とは異なります。
例えば「投稿Aを1人のユーザーが10回表示した場合」のリーチ数とインプレッション数は以下のようになります。
「リーチ数」は1(閲覧したユーザーは1人)
「インプレッション数」は10(閲覧回数は10回)
この違いを把握しておかないと、「インプレッション数が伸びているから多くのユーザーに届いているんだ!」と誤解し、適切でない施策に踏み切ってしまう可能性があります。
エンゲージメントとの違いにも気を付ける
また、リーチと混同されやすい「エンゲージメント」という指標も存在します。エンゲージメントは「投稿に対してユーザーが反応した回数」を示すものです。
ユーザーの反応とは、「いいね」や「保存」といったアクションのことで、エンゲージメントが得られたということは、ユーザーが投稿を見るだけではなく、強い興味や関心を示したサインと言えます。
数値の違いに目を向けた上で「リーチ数が多い投稿」と「インプレッションが多い投稿」を比較すると、コンテンツの内容やタグの使い方、投稿時間などの要素に違いがある事に気付くでしょう。この違いがInstagram運用戦略の基礎になります。
例えば、この違いを逆手にとれば「この投稿はサービスの概要を説明するものだからリーチを取りに行こう」「この投稿はコンバージョンを狙っているからインプレッションを取りに行こう」といった方針が立てやすく、効果的な運用に繋がるでしょう。
Instagramのリーチ数を確認するための手順
Instagramのリーチ数を確認するためには、以下の手順を踏む必要があります。
- ビジネスアカウントに切り替える
- 「インサイト」をタップ
- リーチ数を確認したい投稿をタップ
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.Instagramをビジネスアカウントに切り替える
まずはInstagramをビジネスアカウントに切り替えます。ビジネスアカウントに切り替えると「インサイト」という機能が使えるようになり、投稿したコンテンツの分析に活かせるようになります。
ビジネスアカウントに切り替えるには、「プロフィール」から右上の「メニュー」をタップ。「アカウント」をタップし、ビジネスアカウントに切り替えましょう。
また、少し手順は増えますが、ビジネスアカウントに切り替えるとmeta社が提供している公式ツール「クリエイタースタジオ」も利用できるので、さらに運用しやすくなります。この機会にビジネスアカウントに切り替えておくのがおすすめです。
2.「インサイト」をタップし分析画面を表示する
ビジネスアカウントに切り替えると、インサイト機能が利用できるようになります。インサイトをタップし、分析画面を表示しましょう。
ビジネスアカウントに切り替えているのにインサイト機能が利用できない場合は、フォロワー数が100人に満たない状態だったり、投稿してから時間が経っていなかったりしてデータが収集できていない可能性があります。
原因を明らかにしつつ運用を継続し、時間を空けて確認してみると良いでしょう。
3.リーチ数を確認したい投稿を選んで表示する
インサイトが表示されるようになったら、プロフィール画面からリーチ数を確認したい投稿の下にある「インサイトを見る」ボタンをタップします。
様々な数値が並んでいますが、その中の「発見」タブに「リーチ数」が表示されているので、確認してみましょう。また、リーチしたアカウントのうち何割がフォロワー外のユーザーなのかも表示されるので、投稿の影響やユーザーの経路を調べるのに役立ちます。
リーチ数を分析するメリットや効果とは?
リーチ数を分析する方法を理解したところで、どのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
- ユーザーのニーズが把握できる
- フォロワーやサイト訪問者を増やせる
- タグ選定を含めInstagram運営を最適化できる
- Instagram運用の成果が出ない原因を明らかにできる
それぞれ詳しく見ていきます。
投稿の反応からユーザーのニーズを把握できる
リーチ数を確認すれば、ユーザーのニーズを把握するための手掛かりになります。
いくつかの投稿を確認し、リーチ数に差がある場合は、多くリーチしている投稿とそうでない投稿の違いを明らかにしてみましょう。ポイントは「コンテンツ」や「タグ」「投稿時間」など多岐にわたります。
また、リーチ数だけでなく、リーチしたユーザーの何割がフォロワーでないユーザーなのかも把握できるので、これらの数値を参考に「見つけてもらいやすい投稿」のタイプを理解できれば、これからの運用に役立つ知見が得られるでしょう。
フォロワーの増加やサイト訪問者の増加につながる
リーチ数を増加させるということは、「初見のユーザーに見つけてもらう」ということでもあります。どんなアカウントであっても、Instagramを運用するのには目的がありますが、この目的を果たすために必要不可欠なのが「知らないユーザーに興味を持たれる」こと。
その結果として表示されるのが「リーチ数」なので、リーチ数を分析し初見ユーザーへ届きやすい投稿の傾向が掴めれば、フォロワーの増加はもちろん、自社サイトへの訪問者数や問い合わせの増加も見込めるでしょう。
効果的なインスタ運用やタグの選定につながる
リーチ数を指標に、伸びている投稿の傾向が掴めれば今後のInstagram運用に活きる戦略のヒントであったり、効果的なタグの選定にも役立ちます。
とくにリーチ数と密接に関連しているのがタグの選定です。検索数の多い人気のタグを使えばリーチ数は増加しますが、さらにアプローチ数やインプレッション数なども加味して「どんな投稿なら人気が出るのか」を探ることが大切です。
インスタ運用の成果が出ない理由を探る手がかりになる
Instagram運用をしていると、どこかで数値が伸び悩んだり、運用するモチベーションが下がったりすることも少なくありません。
そんな時にリーチ数をはじめとした数値を測定・分析すると新たな発見があるかもしれません。「これだけのユーザーにリーチしているんだ」という感覚はモチベーションになりますし、数値が伸び悩む理由を明らかにする手助けにもなるでしょう。
とくにリーチ数が少ない場合は、そもそも見つけられていない可能性があります。使っているタグや投稿時間を見直すだけでも、Instagram運用の成果はアップするでしょう。
【リーチを増やす】今日から試したい5つの施策を紹介
ここからは、さっそく今日から使える5つの施策を紹介します。リーチ数をさらに増加させるためにも、ぜひ活用してみましょう。
- 投稿頻度や投稿時間を見直す
- ペルソナを意識した投稿を
- 画像や文章の統一感を大切に
- 狙うハッシュタグを絞って運用
- 投稿以外の機能も絡めて露出を増やす
それぞれ詳しく見ていきます。
1.投稿頻度や投稿時間を変更する
Instagram運用で重要な「投稿頻度」や「投稿時間」を変更すると、すぐに効果が出てくる可能性があります。
どうしても効果が出ない場合は、期間を決めて毎日投稿に取り組んだり、よりユーザーがいる時間帯に合わせて投稿時間を変更したりするのがおすすめ。
Instagramは画像や動画といったコンテンツに重きを置いたSNSのため、投稿内容に目が向きがちです。さらに目を惹くコンテンツを、と考えることは大切ですが、投稿の質や方向性はすぐには変更できないでしょう。
コンテンツの内容はそのままで、投稿頻度や投稿時間を変更するだけなら、手間をかけずに大きな成果を得られる可能性があります。まずはこうした基本的な部分から取り組む意識を持つことが大切です。
2.ペルソナを意識した投稿内容に寄せていく
Instagramを運用する際には、必須ではありませんがペルソナを用意しておくことをおすすめします。ペルソナとは、企業やサービスが何かを提供する際に、そのサービスを欲しがっているのはどんな人なのかを細かく決めた架空の顧客のこと。
年代や性別、居住エリアで絞るのがおすすめで、扱っている商材やサービスに合わせて最適なペルソナを設定するのが最も重要です。単なる情報の羅列になってしまっても構わないので、ユーザーのペルソナを作成しておくとよいでしょう。
3.画像や文章の統一感を意識する
Instagramで大切なのはプロフィールを表示した際に展開される投稿一覧です。タイル状に表示される自分の投稿を俯瞰し、統一感がないと興味を持つユーザーは現れにくいと考えられます。
画像はもちろん、文章やタグも統一感を意識して設定してみるとよいでしょう。また、統一感を出しつつ見やすいプロフィール画面を作るには、ハイライト機能を活用するのがおすすめです。
ストーリーズをまとめておける機能で、ジャンルや時期ごとにストーリーズをまとめておけば、初めてプロフィールを見たユーザーも概要や雰囲気を掴みやすいでしょう。ストーリーズを投稿すればリーチの獲得にも繋がり、リーチしたユーザーがフォローしてくれる可能性も高まります。
4.狙うハッシュタグを絞り「おすすめ」に乗ることを意識する
Instagramは拡散機能が浸透していないSNSなので、ユーザーに「見つけてもらう」ための動きが重要です。そこで活用したいのがハッシュタグ機能。投稿やアカウントに関連したキーワードを#(半角シャープ)の後ろに打ち込むだけで簡単に設定できます。
Instagramでは興味のある投稿を探すために、ユーザーがハッシュタグを使って検索を行うので、興味を持ちやすいユーザーが投稿を見つけてくれるのです。利用者の多い人気タグを設定すれば、フォロワーが少なくても多くのリーチが獲得できます。
加えて、「発見」タブに上位表示されるようになれば、さらにユーザーに表示されやすくなるでしょう。
リーチを狙うアカウントのタイプやジャンルを決め、その中で使われているタグを絞って良質な投稿を続けていくと、より多くのアカウントにリーチできるので、結果としてバズりやすくなるのです。
5.ストーリーズやリポスト、メンションなどの機能を活用する
Instagramで人気の機能「ストーリーズ」や、拡散機能であるリポスト、コミュニケーションを可能にする「メンション」などの機能を活用すれば、通常の投稿だけではリーチできないアカウントに情報を届けやすくなります。
投稿はできれば毎日更新を心がけつつ、ストーリーズやリポスト、メンションといった機能も活用してアカウントの存在感を高めていければ、新規フォロワーの獲得や既存フォロワーとの親密度がアップするので、その後のコンバージョンにもつながりやすくなるでしょう。
リーチを分析して効果的なインスタ運用を実現しよう
Instagramの運用・分析で重要な意味を持つリーチ。届いたアカウントの数を示すものですが、そこから読み取れる情報は限りなく多く、エンゲージメントやインプレッションといった他の数値も含めて分析できるようになると、さらに効果的な運用が可能になります。
この記事で紹介した内容を参考にしつつ、リーチを確認し、ユーザーの動向や投稿の効果を測定してみましょう。